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A-10最後の1機、ネリス空軍基地を離陸 半世紀の近接航空支援の時代が節目に

 
飛行するA-10サンダーボルトII(参考写真)

画像:Wikimedia Commons掲載の米空軍A-10サンダーボルトII飛行写真(参考)。ネリス基地離陸時の当該機体そのものではなく、機体形式を示す資料写真として掲載しています。

米空軍のA-10サンダーボルトII最後の1機が2026年9月22日、ネバダ州ネリス空軍基地を離陸しました。同基地はおよそ半世紀にわたりA-10の戦術開発と兵器学校の中心地であり、300人超の武器職員(ウェポンズ・オフィサー)を養成してきました。米空軍全体としてもA-10は退役へ向かっており、近接航空支援(CAS)の担い手は多用途戦闘機へ移行する過渡期を迎えています。

離陸の様子

報道によると、離陸したA-10はネバダ州空軍州兵第232戦闘訓練飛行隊所属の兵器戦術士官、カイル・S・アドキンソン少佐が操縦しました。ネリス基地の空軍兵およそ70人が滑走路脇に整列し、最後の見送りを行ったとされています。

ネリス基地は、A-10のソフトウェア・アビオニクス・精密誘導兵器の運用開発の主要な試験場であり、米空軍兵器学校(USAF Weapons School)ではこれまでに300人を超えるA-10兵器職員を養成してきました。

近接航空支援はどこへ引き継がれるのか

米空軍は、A-10退役後も近接航空支援能力自体を失わせないと強調しています。戦術的な知見や役割、人員は、多用途戦闘機や先進戦闘機のプラットフォームへ移行するとされています。ただし、A-10特有の低速・低高度での滞空性能や30mm機関砲(GAU-8)による近接支援を、どの機種がどこまで代替できるかは今後の運用実績で判断されることになります。

なお、全てのA-10が同時に退役するわけではなく、報道時点でジョージア州ムーディ基地の現役飛行隊(2029年まで運用延長)とミズーリ州ホワイトマン基地の州兵飛行隊(2030年まで運用延長)が、当面A-10の運用を継続するとされています。

公開情報の範囲で分かっていること

確認できているのは、(1)2026年9月22日にネリス基地所属の最後のA-10が離陸したこと、(2)同基地が約半世紀にわたりA-10戦術開発の中心地であったこと、(3)ムーディ基地・ホワイトマン基地では2029〜2030年までA-10の運用が延長されていること、の3点です。近接航空支援の完全な代替時期や具体的な機種配分について、本記事では米空軍の公式発表以上には推測しません。

一次資料・参考資料

本記事は公開されている資料をもとに作成しています。近接航空支援の具体的な代替計画、非公表の配備スケジュールは、米空軍の公式発表以上には推測していません。