航空自衛隊のグローバルホーク、鳥取沖で墜落と推定 導入後初の機体喪失
画像:U.S. Air Force / DVIDS。2018年10月25日、イタリア・シゴネラ海軍航空基地で撮影されたRQ-4グローバルホークの参考写真です(Public Domain)。今回墜落したと推定される航空自衛隊機そのものではなく、機体形式を示す資料写真として掲載しています。
航空自衛隊の大型無人偵察機「グローバルホーク(RQ-4B)」が2026年9月15日、鳥取県沖の上空で通信が途絶えたのちレーダーから航跡が消え、行方が分からなくなりました。海上で機体の一部とみられる漂流物が見つかったことから、防衛省・航空自衛隊は墜落したと推定しています。三沢基地(青森県)に配備されている3機のうち1機が失われたのは、2022年の導入開始以来初めてです。
離陸から通信途絶までの経緯
複数の報道によると、機体は9月15日午前10時20分ごろ、青森県の三沢基地を離陸しました。国際空域にあたる鳥取県沖合およそ50キロを飛行していた同日午後0時55分ごろ、通信装置との接続不良が発生し、その約3分後にレーダー上から航跡が消えたとされています。
海上保安庁が周辺海域で機体の一部とみられる浮遊物を発見したことを受け、航空自衛隊は同日夕方までに墜落したと推定しました。9月15日午後5時の時点で、周辺地域への被害は確認されていません。
「決定的な3分間」に何が起きたのか
通信不良の発生からレーダー航跡が消えるまでの約3分間に何が起きたのかが、原因究明の焦点とされています。グローバルホークには、通信が途絶えた場合にあらかじめ設定された経路で自動的に基地へ戻る「RTB(Return-To-Base)」機能が備わっているとされますが、この事案でRTB機能が働いたかどうかは公表されていません。
報道ではエンジンなど機体側の不具合により正常な飛行を続けられなくなった可能性も指摘されていますが、2026年9月16日時点で防衛省・航空自衛隊は具体的な原因を特定したとは発表していません。本記事でも原因を断定しません。
空幕長「訓練中ではなかった」
航空自衛隊の森田尚寛空幕長は記者会見で、事案発生時の飛行について「訓練中ではなかった」と述べた一方、具体的にどのような任務にあたっていたかは明らかにしていません。小泉進次郎防衛大臣は、速やかな捜索と周辺への被害有無の確認を指示したと報じられています。
未公表の任務内容や飛行目的について、本記事では推測しません。
3機体制で守ってきた常続監視に空白
航空自衛隊のグローバルホークは、高高度を長時間飛行しながら赤外線センサーなどで情報収集・警戒監視にあたる無人偵察機です。全長約15メートル、翼幅約40メートル、連続飛行時間は約36時間とされています。三沢基地に2022年3月に1号機が到着して以降、3機体制での運用が続いていました。
報道では機体単価がおよそ173億円とされており、3機のうち1機を失ったことは、機数で3分の1、調達額でも大きな損失です。今回の事案で常続監視の一部に空白が生じる可能性がありますが、具体的な監視体制への影響は公表情報からは確認できません。
公開情報の範囲で分かっていること
本記事執筆時点で確認できているのは、(1)9月15日に三沢基地を離陸した1機が鳥取県沖で通信途絶後に行方不明となったこと、(2)海上で機体の一部とみられる浮遊物が見つかり航空自衛隊が墜落と推定したこと、(3)訓練飛行ではなかったと空幕長が説明したこと、の3点です。墜落の原因、飛行の具体的な目的、他国からの反応などは、防衛省・自衛隊の公式発表を超えて推定しません。続報が入り次第、一次資料に基づいて更新します。
一次資料・参考資料
本記事は公開されている資料をもとに作成しています。墜落原因、飛行の具体的な目的、非公表の任務内容は、防衛省・自衛隊の公式発表以上には推定していません。続報により内容を更新する場合があります。
