Pacific Dragon 2026、海自「こんごう」参加 7か国で弾道ミサイル防衛を連携
画像:U.S. 3rd Fleet / Lt. Cmdr. Tony Wright。DVIDS Photo ID 9890222、VIRIN 260806-N-NO842-1016、Public Domain。2026年8月6日にPacific Dragon 2026で発射されたIAMD標的です。
2026年8月6日から13日まで、ハワイ諸島周辺で多国間弾道ミサイル防衛訓練「Pacific Dragon 2026」が行われました。日本からは海上自衛隊のこんごう型護衛艦「こんごう」(DDG 173)が参加しています。今回のポイントは、単に各国艦が集まったことではありません。複数国のレーダーや戦術データリンクをつなぎ、弾道ミサイル防衛と統合防空ミサイル防衛を同じ状況の中で扱う訓練へ広がったことです。
参加は日本を含む7か国です
米海軍第3艦隊の公式発表によると、参加国はオーストラリア、チリ、イタリア、日本、韓国、スペイン、米国の7か国です。2026年はチリとスペインが加わり、多国間参加の幅が広がりました。
参加艦艇には海上自衛隊の「こんごう」のほか、豪海軍HMAS Sydney、韓国海軍ROKS Jeongjo the Great、米海軍USS Jack H. Lucasなどが含まれました。米側はP-8A哨戒機、F/A-18、MQ-9、BQM-177A標的機も投入しています。
中心はBMDとIAMDの情報共有です
Pacific Dragonは、BMD(弾道ミサイル防衛)とTDL(戦術データリンク)の情報共有を主眼とする隔年訓練です。2026年はBMDとIAMD(統合防空ミサイル防衛)のシナリオを組み合わせるマルチミッション要素も追加されました。
ここで重要なのは、一隻の艦だけで探知から迎撃まで完結することではありません。各国が探知・追尾した情報を共有し、異なる艦艇や航空機が共通の状況認識を作ることが訓練の中心です。
公式写真で確認できるのはIAMD標的の発射です
DVIDSには、8月6日にPacific Missile Range FacilityからIAMD-T(Integrated Air and Missile Defense Target)が発射される公式写真が公開されています。写真はPublic Domainで、今回の演習そのものを撮影した資料です。
一方、過去の資料で使われたARAV-6という名称を、今回の全標的へ一律に当てはめることは避けます。米海軍の2026年公式記事とDVIDS写真の表記はIAMD-Tであり、本稿では確認できた名称を優先します。
「こんごう」参加の意味は共同交戦能力の確認にあります
「こんごう」は弾道ミサイル防衛任務に対応するイージス艦です。ただし、今回の公式発表は「こんごう」が単独で標的を迎撃したとは記していません。確認できるのは、多国間のBMD・IAMD訓練へ参加したことです。
Pacific Dragonの狙いは、レーダー性能の比較競争ではなく、同盟・友好国間で探知、追尾、報告、指揮統制の手順をそろえることです。個別艦の未公表の探知距離や迎撃成績を推定するのは適切ではありません。
公式動画も今回の演習そのものです
米第3艦隊はPacific Dragon 2026の公式B-rollを公開しています。DVIDS Video ID 1020346で、2026年8月4日に撮影され、参加部隊が統合防空ミサイル防衛目標を探知・追尾・報告する能力を高める訓練だと説明されています。
以前はこの動画の直接ページ番号を確認できず公開を保留していましたが、現在はVideo ID、埋め込みURL、Public Domain表記まで確認できています。
一次資料・参考資料
公開されている資料をもとに作成しています。非公開の性能、作戦計画、契約条件は推測していません。
