防衛省、AARGM-ER取得を令和9年度概算要求へ 数量と個別要求額は未公表
画像:U.S. Navy / NAVAIR、Katie Archibald。DVIDS Photo ID 9492418、Public Domain。2026年1月12日のAARGM-ER実射を写した米海軍公式写真です。日本向け装備の実射写真ではありません。
防衛省は、令和9年度(2027年度)予算の概算要求にAARGM-ERの取得を盛り込みました。相手の防空レーダーなどへの対処を想定する対レーダーミサイルですが、今回の資料では取得数量やAARGM-ER単独の要求額、搭載する自衛隊機は公表されていません。
概算要求にAARGM-ERが初めて明記された
防衛省が2026年8月31日に公表した令和9年度予算概算要求では、弾薬の取得項目に「対レーダーミサイル(AARGM-ER)」が明記されています。AARGM-ERは、相手の防空レーダーなど電波を出す目標への対処を主な任務とする空対地ミサイルです。
一方、概算要求資料はAARGM-ERだけの取得数量や要求額、搭載する自衛隊機、納入時期を示していません。したがって、現段階で「何発をいくらで導入する」「どの飛行隊に配備する」とまでは確認できません。
米海軍は何を目的に開発しているのか
米海軍のNAVAIRはAARGM-ERについて、AARGMを発展させ、射程、生存性、効果を高めて進化する脅威に対応する装備だと説明しています。公開されている米海軍の運用資料ではF/A-18E/FスーパーホーネットとEA-18Gグラウラーへの統合が進められています。
ただし、この米海軍側の搭載機情報をそのまま日本の運用機種へ置き換えることはできません。日本の概算要求資料は搭載機を明記していないため、本記事では自衛隊での具体的な運用機種を確定情報として扱いません。
長射程火力の要求はAARGM-ERだけではない
同じ概算要求では、潜水艦発射型誘導弾の取得に163億円、JSMの取得に180億円、JASSMの取得に53億円と事項要求が計上されています。事項要求とは、予算編成の段階で金額を確定せず、必要性を示して年末の予算案まで調整する項目です。
さらに12式地対艦誘導弾能力向上型や極超音速誘導弾なども並んでおり、防衛省が離れた位置から対処できるスタンド・オフ防衛能力を複数の経路で整備しようとしていることが分かります。
今回確認できること、まだ分からないこと
今回の一次資料から確認できるのは、防衛省が令和9年度概算要求の取得項目としてAARGM-ERを正式に記載したことです。これは取得へ向けた具体的な予算要求ですが、国会を経た予算成立や最終契約そのものではありません。
数量、個別要求額、搭載機、部隊配備、納入時期は公開資料だけでは確認できません。今後、予算案、契約公告、米側の対外有償軍事援助資料などが公表された段階で、確定した範囲を更新する必要があります。
一次資料・参考資料
2026年9月7日時点の防衛省・米海軍公式資料を基準にしています。AARGM-ERの日本向け取得数量、個別要求額、搭載機、納入時期は未公表のため推定していません。関連動画はAARGM-ERの発射映像ではなく、米海軍で統合対象となっているF/A-18Fの公式運用映像です。
