ブルネイと米陸軍、ジャングル・実弾・サイバーを一体訓練 Pahlawan Warrior 26とは
画像:Oklahoma National Guard photo by Sgt. Danielle Rayon。DVIDS Photo ID 9879055、VIRIN 260820-Z-IN656-1514、Public Domain。2026年8月20日のPahlawan Warrior 26閉会式を撮影した公式写真です。
ブルネイ王国陸軍と米陸軍は2026年8月、二国間演習「Pahlawan Warrior 26」を実施しました。米陸軍の公式総括によると、演習は8月11日から21日まで行われ、ジャングルでの部隊行動、合同実弾射撃、医療後送、サイバー事案への対応などを組み合わせています。単に射撃を一緒に行うのではなく、部隊を動かし続けるための支援機能まで合わせた訓練でした。
約130人の米側要員がブルネイへ
米陸軍は開会時、米側から約130人が参加すると発表しました。中心となったのはオクラホマ陸軍州兵で、現役陸軍の要員も加わっています。Pahlawan Warriorは米陸軍太平洋とブルネイ王国陸軍による隔年の二国間演習で、今回もブルネイのTutong Campなどを使って実施されました。
訓練の目的として公式資料が挙げているのは、即応性と相互運用性、つまり両軍が同じ場で手順を理解し、共同して動ける能力の向上です。公開資料は特定国を仮想敵としていないため、演習地域だけを根拠に特定国との戦争を想定した訓練だと断定することはできません。
ジャングル環境で地上航法と部隊行動を確認
米陸軍太平洋は、両軍がジャングルで地図とコンパスを使う地上航法や小部隊行動を共同で訓練したと説明しています。熱帯の密生した植生では見通しが悪く、開けた訓練場とは移動や通信の条件が変わります。ブルネイ側の経験を米側が学び、装備や手順を互いに理解すること自体が演習の重要な要素でした。
最終段階は合同小隊による実弾射撃
8月20日に撮影されたDVIDS公式映像では、オクラホマ陸軍州兵の第180騎兵連隊第1大隊とブルネイ王国陸軍第2大隊が、合同小隊による実弾射撃を行っています。映像説明は、数日間のジャングル訓練を経て、機動、通信、実弾射撃を一つの訓練として組み合わせたとしています。
ただし、射撃精度や交戦距離、部隊の戦闘能力を数値で評価できる資料は公開されていません。訓練を完了したことと、実戦での性能を保証することは別です。
MEDEVACも両軍で訓練
医療分野では、米陸軍第62医療旅団の要員とブルネイ側がMEDEVACを訓練しました。MEDEVACは負傷者を現場から医療拠点へ搬送する医療後送です。地上部隊だけでなく、医療要員や航空要員が共通の手順で動けなければ成立しません。
米陸軍の総括では、こうした医療訓練も演習全体の一部として紹介されています。戦闘そのものだけでなく、負傷者を搬送して部隊を継続運用する仕組みを合わせた点が特徴です。
サイバー防御も同じ演習の中で実施
米陸軍太平洋は8月21日、オクラホマ州兵のDefensive Cyber Operations Elementとブルネイ側要員が、サイバー事案への対応訓練を実施したと公表しました。これはジャングルでの実弾射撃とサイバー防御を同じ戦術行動として扱ったという意味ではありません。同じ二国間演習の中で、地上戦闘と並行してサイバー分野の専門家交流を実施したという位置付けです。
今回の演習から分かること
Pahlawan Warrior 26は、大規模な多国間演習ほど参加国や航空機の数が多い演習ではありません。その代わり、ブルネイの地形に合わせたジャングル訓練、合同実弾射撃、医療後送、サイバー防御まで、実際に共同運用するための基礎を幅広く確認しています。
一方で、特定国を想定した作戦計画、未公表の通信性能、兵器の性能、実戦での勝敗を示すものではありません。公式資料から確認できるのは、両軍が互いの手順を理解し、共同して動くための訓練を完了したという点までです。
参考資料
- U.S. Army:US, Brunei forces build readiness, trust during Pahlawan Warrior 26(2026-08-25)
- U.S. Army:Oklahoma Guard, Royal Brunei kick off exercise Pahlawan Warrior 26(2026-08-12)
- U.S. Army Pacific:Cyber readiness during Pahlawan Warrior 26(2026-08-21)
- DVIDS:Photo ID 9879055(Public Domain)
- DVIDS:Video ID 1019911(合同小隊実弾射撃・閉会、Public Domain)
2026年9月6日時点で確認できる米陸軍、米陸軍太平洋、Oklahoma National Guard/DVIDSの公開資料を基準にしています。未公表の戦術性能、想定敵、作戦計画は推定していません。
