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F-35Bがミラマーで墜落 日本の42機計画に影響は? 原因未確定の今わかること

 
護衛艦「いずも」の飛行甲板の上でホバリングし、垂直に着艦する米海兵隊のF-35B

画像:護衛艦「いずも」でのF-35B発着艦検証(2021年10月3日)/海上自衛隊 / CC BY 4.0

2026年7月31日、米海兵隊のF-35Bがカリフォルニア州サンディエゴのミラマー海兵隊航空基地付近で墜落しました。操縦士は地上約100フィート、約30メートルの低高度で脱出し、命に関わるけがを負わず生存しています。目撃者は機体がホバリングするように見えたと証言しましたが、事故原因はまだ公表されていません。日本も同じF-35Bを導入・運用し始めているため、事故と日本の計画を分けて整理する必要があります。

7月31日、滑走路付近で墜落

AP通信によると、事故は7月31日、ミラマー海兵隊航空基地の滑走路付近で発生しました。F-35Bは地上約100フィート、約30メートルの低高度にあり、操縦士は墜落直前に射出座席で脱出しました。機体は地面へ激突して炎上し、周辺では小規模な植生火災も発生しました。

操縦士は病院へ運ばれましたが、容体は安定しており、けがは命に関わるものではないと報じられています。地上の負傷者も確認されていません。

「ホバリングしていた」は事故原因ではない

現場を見ていた人物は、F-35Bが滑走路付近で速度を落とし、ホバリングしようとしているように見えたと証言しています。しかし、これは外部から見た動きの説明です。

F-35Bが意図して短距離・垂直着陸モードへ移行していたのか、機体の異常によって速度や姿勢が変化したのかは公表されていません。リフトファン、クラッチ、後部ノズル、飛行制御、エンジン、整備のどこに問題があったのか、あるいは別の原因だったのかも現時点では断定できません。

F-35BのSTOVL機構が複雑であることと、今回その機構が事故原因だったことは別の話です。原因が確定するまでは切り分ける必要があります。

約30mから操縦士が助かった

事故で明確なのは、射出システムが操縦士を機体から脱出させ、生存につながったことです。F-35シリーズはMartin-Baker製US16E射出座席を採用しています。

F-35Bには垂直着陸時の急激な姿勢変化に備えた自動射出機能もありますが、今回の事故で操縦士が手動で射出したのか、自動射出機能が作動したのかは公表されていません。「自動射出が操縦士を救った」と断定することも現時点ではできません。

日本はすでにF-35Bの運用を始めている

この事故が日本にとって無関係ではない理由は、日本がF-35Bを「将来導入する国」ではなく、すでに配備を始めた国だからです。

防衛省は2018年、F-35の取得総数を147機とし、そのうち42機を短距離離陸・垂直着陸型へ置き換えられる形で整備する方針を決定しました。現在の日本のF-35B計画はこの42機を基礎にしています。

2025年には新田原基地への配備が始まり、同年11月にはF-35Bパイロットの養成・技量維持訓練が開始されました。2026年2月には新田原基地で配備記念式典も行われています。

2026年に入って訓練は実際に進んでいる

2026年1月、小泉防衛大臣は新田原基地を視察し、同基地を航空自衛隊F-35Bが配備される日本で唯一の基地と説明しました。スローランディングや垂直着陸も現地で確認し、早期戦力化に向けた操縦士訓練が進められているとしています。

新田原基地の2026年7月の公開情報でも、F-35Bの機種転換訓練や夜間飛行計画が継続して掲載されています。少なくとも事故直前まで、日本側ではF-35Bを実際に運用するための訓練が進んでいました。

事故1件で「日本の42機計画中止」とは言えない

2026年8月12日時点で確認できる防衛省・航空自衛隊の公開情報からは、ミラマー事故を受けて日本のF-35B取得計画を中止・縮小するといった発表は確認できません。

ただし、これは「事故が日本へ何の影響も与えない」という意味でもありません。米海兵隊の調査で機体共通の技術的問題が見つかれば、点検や整備指示、訓練手順、飛行制限などが同型機を運用する国へ波及する可能性があります。

逆に、個別機の整備や局所的な要因と判断されれば、日本の取得計画そのものへ大きな変更を迫るとは限りません。重要なのは事故件数だけではなく、原因が「機種共通」なのか「個別」なのかです。

日本では「かが」「いずも」との運用も控える

F-35Bは新田原基地だけで完結する装備ではありません。海上自衛隊の「いずも」型護衛艦はF-35Bを艦上運用できるよう改修が進められ、「かが」は2024年に米国でF-35Bによる艦上運用試験を実施しました。

したがって、F-35Bの飛行安全性、整備、短距離・垂直着陸の運用手順に関する調査結果は、航空自衛隊だけでなく、将来の艦上運用にも関係します。だからこそ、原因未確定の段階で「STOVLだから危険」「日本の空母計画も失敗」と短絡するのではなく、調査結果を待つ必要があります。

今後見るべき4点

今後の焦点は、①米海兵隊が事故原因をどこまで公表するか、②同型機へ点検・飛行制限などが出るか、③F-35B固有のSTOVL装置が関係していたか、④防衛省が新田原の訓練・配備スケジュールを変更するか、の4点です。

事故映像は派手ですが、政策への影響を判断する材料は映像ではなく、事故調査と運用上の指示です。

まとめ

ミラマーのF-35Bは7月31日、着陸直前の低高度で墜落し、操縦士は約30メートルから脱出して生存しました。目撃者はホバリングのような動きを証言していますが、事故原因はまだ確定していません。

日本は42機のF-35Bを整備する方針を持ち、新田原基地で配備・訓練を進めています。現時点で計画変更の公式発表は確認できません。日本への本当の影響は、米側調査が「機種共通の問題」を示すのか、それとも個別の事故として整理されるのかで大きく変わります。

参考資料

2026年8月12日時点の公開情報をもとに整理しています。事故原因、自動射出の作動有無、F-35B固有装置の故障有無は未確定であり、本文では推測を確定情報として扱っていません。

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