PR 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。
ミリタリーNOW
HUB

F-35BとSTOVL

特集ハブ一覧 →

「F-35BとSTOVL」に関するミリタリーNOWの記事を1ページにまとめた特集ハブです。

3分でわかるF-35BとSTOVL

「垂直に降りられる戦闘機」と一口に言っても、その仕組みは一つではありません。AV-8BハリアーIIは、1基のロールス・ロイス製ペガサスエンジンから出る空気と排気を4つの可動ノズルへ分け、ノズルごと下向きへ曲げて機体を浮かせていました。対してF-35Bは、主エンジンの動力で回す前方のリフトファン、排気の向きを変える後部の3BSM、左右のロールポストを飛行制御システムが一体で制御します。同じ短距離離陸・垂直着陸(STOVL)でも力の作り方が違うため、ハリアーとF-35Bを比べる記事と、F-35B単体の機構をほどく記事が別々に必要になります。

2026年は、その2機の立場が入れ替わった年でもあります。6月3日には最後の運用ハリアー飛行隊VMA-223がCherry Pointで「sundown」式典を実施し、米海兵隊のハリアー時代が終わりました。一方7月31日には、ミラマー海兵隊航空基地付近でF-35Bが墜落し、操縦士は約30メートルの低高度から脱出して生存しています。事故原因はまだ公表されていません。日本は短距離離陸・垂直着陸機能を持つ機体を42機整備する方針を持ち、新田原基地への配備と護衛艦での運用準備を進めているため、この調査結果は日本側の運用にも関わります。米海兵隊自身は、ハリアーの退役をF-35B/Cを中心とする第5世代戦術航空部隊への移行の節目と位置付けています。

このテーマの記事

用語ミニ辞書

STOVL(短距離離陸・垂直着陸)
短い滑走で離陸し、垂直に着陸できる方式です。航空ショー向けの特殊機能ではなく、長大な滑走路だけに依存せず、改修された艦艇や限られた飛行場から航空戦力を運用するための能力とされています。
LiftFan(リフトファン)
F-35Bの機体前方に置かれた50インチ径の2段反転ファンです。独立したジェットエンジンではなく、主エンジンからクラッチとドライブシャフトを介して最大約2万9000軸馬力が伝えられ、最大2万ポンド級の冷たい下向き推力を作ります。
3BSM(3 Bearing Swivel Module)
機体後部にある可動式のジェットパイプで、主エンジンの推力を下向きへ偏向します。Rolls-Royceは、このモジュールが95度を約2.5秒で回転できると説明しています。NAVAIRも、3BSMがF-35B特有の短距離離陸・垂直着陸を可能にする重要部品だとしています。
ロールポスト(Roll Posts)
エンジンのバイパス流の一部を左右から噴出させる機構です。前後だけで機体を支えても左右へ傾けば安定したホバリングはできないため、ロール方向の姿勢制御に使われます。
Vectored Thrust(推力偏向)
ヘリコプターのローターを付けるのではなく、ジェットエンジンの噴射方向そのものを変えるハリアーの核心です。前側2つのノズルへタービンを通る前のバイパス空気、後側2つへ高温のジェット排気が送られ、前後4か所の推力で機体重量を支えます。
反応制御ジェット
ホバリングでは対気速度がほぼゼロになり、通常の補助翼や方向舵だけでは姿勢を維持できません。ハリアーは機首・尾部・翼端などの姿勢制御用ジェットから圧縮空気を噴射し、機首上げ下げ、ヨー、ロールを制御しました。
SRVL(Shipborne Rolling Vertical Landing)
翼の揚力も利用しながら前進速度を残して着艦する方式です。英海軍などで試験されています。
US16E射出座席
F-35シリーズが採用するMartin-Baker製の射出座席です。ミラマーの事故では射出システムが操縦士を機体から脱出させ、生存につながりました。手動射出だったか自動射出機能の作動だったかは公表されていません。

出典